三つの驕り 3 arrogance 2004 3 1

 人間には、「三つの驕り(おごり)」があります。
 最初に、「老い」に対する「驕り」です。
自分は、いつまでも若いと思うことです。
しかし、「老い」というものは、確実にやってきます。
金持ちにも、貧乏にも、
天才にも、凡人にも、必ず、やってきます。
これを逃れることはできません。
 たとえば、道路を渡ろうとする時に、こんなことがあるでしょう。
車の流れに、切れ間があり、
渡れると思って、道路を渡り始めた。
気持ちは、渡れると思っても、
体がついていかなくて、
道路の途中で、車が来てしまう。
こういう状況が、確実に増えてくるでしょう。
 女性は、永遠に、美しさを求めているでしょう。
しかし、その気持ちとは裏腹に、
確実に、年を取れば取るほど、醜くなっていきます。
毎年、美しくなりたいと思っていても、
毎年、醜くなっていきます。
どんな大女優でも、100歳を超えたら、その姿を見たくないでしょう。
 次に、「病」に対する「驕り」です。
自分は、いつまでも健康であると思うことです。
しかし、どんなスポーツマンでも、病気にはなります。
しかも、多くの人には、
「老い」と「病」が、同時に襲ってくるでしょう。
年を取れば取るほど、「病」に対して、抵抗力がなくなっていくのです。
 最後に、「死」に対する「驕り」です。
人間は、生まれた時から、
「死」というゴールを目指して生きていると言えるでしょう。
あらゆる人に、「死」は、確実に、やってくるのです。
人間は、「死」に対して、平等です。
 こうした、「老い」、「病」、「死」は、
人間にとって「苦しみ」でしょうが、
しかし、人間の真理なのです。
 この三つの「苦しみ(真理)」のなかを、
どう生きていくのか。
こうした「苦しみ」の根本は、肉体への執着です。
 人間が、生きているのは、「学ぶため」と「愛するため」です。
人間は、「学び」と「愛」のなかを生きる時、
「永遠の生命」を感じるのです。
 仏教とは、むずかしいと思っていたでしょうか。
これも、仏教の大切な教えです。
「悟り」と言っても、今の時代は、わからないでしょう。
しかし、「学び」と「愛」のなかを生きる時、「悟り」はあるのです。





























































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